木材資源の活用というと、すぐに熱帯雨林の大量 伐採をはじめとする環境破壊のことを思い浮かべる人がいるかもしれません。確かに地球の陸地面 積の27%を占める森林は、開発途上地域を中心に毎年11百万haの森林が減少しつづけています。

それではなぜ日本は森林を守ってこられたのでしょうか。日本人は木を植える文化を持つ民族だったからです。木を植えるためには定期的な伐採が必要です。伐採した木材を有効に活用し、植林、間伐、伐採のサイクルを維持することが、森を守ることにつながってきたのです。

 

このように守り育てた人工の森林は、現在、国内の森林面 積のじつに4割を占めます。

人工林のサイクルは約30年です。今、全国の森は間伐を行なう時期を迎えています。しかし都会への人口流出や林業従事者の高齢化、安価な輸入木材の利用の増加のために、昔のように森林を保守することができなくなっています。

間伐の時期を過ぎてしまうと木が育たず、森が荒れてしまうのです。

 

たとえば1本の杉木立を伐採した場合、根元より7メートル弱が丸太として建築材に使用され、それより上部の細い部分や、丸太を製材した背板等はチップなどとして使用されます。

私たちが提案する木製の食品容器は、端材や間伐材、老齢過熟木を材料に生産されたもので、森林破壊ではなく、森林を循環させるために有効活用されているのです。

 

地球環境の観点から考えても木製容器というものは、森林を有効活用し、紙を製造するときのようにエネルギーを消費し、水を汚染することもありません。

また木箱を、同じ強度と大きさをもった紙箱と比較してみますと、木材の使用量 は2分の1から3分の1の少ない量でつくることができます。そしてほとんどの製造工程は人の手で行われるのです。

ゴミ処理の観点からも、焼却灰はわずかです。また埋め立て処理をしても3〜4年で土に還ります。

今、地球環境を考えるとき、リサイクルさせるということがクローズアップされています。木を使用した容器を土に帰し、また木を育てるということから考えますと、地球規模で循環再生させていることにつながるのです。そのあいだに地球に与える環境的負荷はきわめて少ないといっていいと思います。

いったん使用した容器をリサイクルさせるということは、回収行程、分別 行程、洗浄・殺菌行程、外観再生行程の面で、かえって再生させるまでに多くのエネルギーを消費していると考えることもできます。

そのようなエネルギーを消費せず、森林の循環という自然にきわめて近いサイクルのなかで循環再生させることこそ、ほんとうのリサイクルなのではないでしょうか。